カレーパン先生の ブログ
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支部名人戦・支部対抗戦・シニア名人戦⑥
2014.03/23 (Sun)
県代表をかけた決勝戦。U田君と小学生K山君の対決となった。
O石先生に依頼され、私は本局の記録を取った。
記録係は、対局者の最も近くの特等席で、最初から最後まで観戦できる、という特権がある。
だから、記録を取るのは好きだ。
記録係なので、本局の一部始終を知っているはずである。
しかし、家に帰って記憶を頼りに並べなおしてみたが、ちょっとあやふやな点が…。
棋譜、もしくはそのコピーを持っているわけではなく、本当はどうだったかが確かめられない。
「後手の端歩は、突いてあったのか、突いていなかったのか?」
戦型は角換わり。後手から一手損承知で交換したような気がする。
1筋の端歩は突き合っていた。
これは確かだ。そうでないと、仕掛けが成立しない。
9筋、先手は突いていた。
これも確かだ。そうでないと、終盤での手順がおかしな事になる。
問題は、後手の9筋の端歩である。
相居飛車である角換わりは、私の専門外だ。
端歩を突くタイミング、受けるかどうかの機微などの知識経験がほとんど無いこともあり、このあたりの手順がうやむやだ。
9筋の歩は、突き合っていた方が自然な気がする。
しかし、仕掛けの局面までの手数を合わせると、後手は9筋の端歩を突くヒマが無い。
すると、もしかして角交換の際に、実は一手損しない形だったのか?という気にもなってくる。
このあたりの確証が持てず、やや悩んでいるのだが、一応後手の端歩は△9三の形で話を進めていく。
実際どうだったのか、関係者でご存じの方はお教え下されば幸いです。
(1図)
K山君は、受ける展開を苦にしないタイプ。
受け将棋といって良いだろう。
U田君はどうなのだろう。
攻め6割くらいでバランスの良い将棋だろうか。
1図から△1五同歩▲3四歩△同銀▲1四歩…と先手が攻撃を開始。
棋風通り、K山君は受けに回り、持ち駒を蓄えながらカウンターを狙う展開。
(2図)
2図は、後手が△7五歩と反撃の味をみせたところ。
以下▲5四歩△同歩▲4六角△6四桂に▲5三歩の利かしが入ったのが大きかった。
△同金なら▲7一角が厳しい。
しかたなく▲5三歩に△5一金と辛抱したが、▲1三角成△2二銀に▲3五歩がまた好手。
△1三銀▲3四歩△同金、ここで▲4三角と打てるのが、さきほどの利かしの効果である。
普通の受けは△3三金と引く形だが、▲3六香がヒットする。
やむを得ず、▲4三角に手抜きで△7六歩から攻め合いに転じたが、これは先手に分のある戦いであろう。
流れるような攻めの手順で、先手が棋勢を引き寄せたようである。
(3図)
3図の▲3三香が決め手となった。
△3二銀と使わせて、▲4三銀。
受けの無くなった後手は△7七歩成から王手を続けたが、及ばず。
U田君が昨年に引き続き、代表の座を射止めた。
決勝では敗れたものの、K山君の戦いも見事、立派であった。